第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PA-28
発表題目 森林生態系多様性基礎調査でみるスギ人工林の林分構造-3所有形態の比較
Forest stand structure of Japanese Cedar plantations based on NFI: comparison of three ownership types
所属 国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所
要旨本文 担い手不足や集落消滅に伴う森林管理の低下は所有形態に関わらず全国共通の課題である。そのような中、集落等が管理する共有林は面積規模が比較的大きく、慣習や内規を通じた合意形成がしやすいといった利点から、今後の森林施業の核としての可能性も指摘されており、一定の管理を経年的に受け、全体としては良好な林分(資源状態)が保たれていることが推察される。本研究では、森林生態系多様性基礎調査を活用し、スギ人工林を対象に、国有、共有、個人有という3つの所有形態間で生産力・生物多様性の側面から林分構造の特徴を比較した。その結果、所有形態による林分構造の違いが明らかになった。国有林は生物多様性の側面から評価できる一方で、共有林、個人有林は生産力の高い林分が多いことが明らかになった。また、相対的には共有林では管理されていると考えられる林分が多く、個人有林では過密な林分が多い傾向が見られた。この結果は、資源の過少利用下においても共有資源が適切に維持管理されてきた可能性を示唆するものと考えられる。本研究はJSPS科研費JP20H00057の助成を受けたものである。また森林資源調査データ解析事業(第3期)の提供を受けた。
著者氏名 ○宮本麻子1 ・ 松浦俊也2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林管理研究領域 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
キーワード 生産力, 生物多様性, 森林政策, GIS
Key word productivity, biodiversity, forest management, GIS