第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

風致・観光部門[Landscape Management and Tourism]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PB-1 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 東京における都市林と環境正義:東京23区の分析からの試論
Urban Forests and Environmental Justice in Tokyo: A Preliminary Study Based on an Analysis of the 23 Wards of Tokyo
所属 東京大学大学院
要旨本文 都市林は重要なグリーンインフラとして、都市の生態系サービスを担うが、これらの利益は都市内で不平等に分布している可能性がある。本研究では、環境正義の視点から東京23区の都市林分布と社会経済的要素との関係を分析し、特に樹冠被覆率に着目し、高い地域ほど生物多様性や生態系サービスが優れていると仮定した。区部の平均樹冠被覆率は12.6で、最大(19.7%)と最小(6.6%)の差は13.1%、一人当たり樹冠面積は8.2m2で、最大(36.1)と最小(3.3)の差は32.8m2であった。これらの差異は都内の都市林が公平に分布していない可能性を示唆する。区ごとの樹冠被覆率は平均年収と顕著な正の相関を示し、平均地価や昼夜間人口比率とは弱い正の相関が認められた。土地利用区分の別に着目すると、商業区の樹冠被覆率は年収と顕著な正の相関、地価とは弱い正の相関を示し、昼夜人口比率とは無関係だった。住宅区の樹冠被覆率は常住人口と中程度の正の相関を示し、年収とは弱い正の相関を示すが、昼夜人口比率や地価とは無関係だった。区部都市林の地域差と社会経済的指標の相関が示されたことは、都市林の生態系サービスの公平な配分を詳細に検討する必要性を示唆する。
著者氏名 ○胡睿喆
著者所属 東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード グリーンインフラ, 樹冠被覆, 環境の多様性, 緑の質, 流動人口
Key word Green infrastructure, Tree canopy cover, Environmental diversity, Green quality, Fluid population