第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

風致・観光部門[Landscape Management and Tourism]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PB-11 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 北海道黒松内町の「生物多様性地域戦略」に関わる取り組みの現状と展望
Current Status and Visions of Initiatives Related to “Local Strategy for Biodiversity" in Kuromatsunai Town, Hokkaido
所属 京都大学大学院
要旨本文 北海道黒松内町は1989年に「ブナ北限の里づくり構想」を策定し、現在まで関係人口創出に資する施設整備、自然体験プログラムの提供や情報発信に取り組んできた。2012年には生物多様性の保全と再生、活用に関する「黒松内町生物多様性地域戦略」を他の自治体に先駆けて策定した。この地域戦略から派生して、幅広い外部機関との連携を強めながら生態系保全を推進し、2021年、環境再生型農業を行うグラッドニー牧場が独自にオープン、2023年には添別ブナ林と歌才湿原が自然共生サイトに認定された。また、2024年にパタゴニア日本支社らと4者包括連携協定を締結し、朱太川水系の保全活動が始動した。2025年には地域戦略策定から13年が経過し、改訂作業が行われる見通しである。本報告では改訂に向け、策定前後の取り組みを整理するとともに、ネイチャーポジティブ実現に向けた課題と展望について検討した。特に調査対象地が都市部から遠方のため、市民参加型の野外調査が困難な事や、調査業務委託に必要な自治体予算確保が望めない事から、生物多様性に関する定量的な基礎データの蓄積が厳しいという、多くの自治体が抱える課題を解決に導く新たな取り組みの提案を行なった。
著者氏名 ○古林まひろ1 ・ 髙橋興世2 ・ 深町加津枝1
著者所属 1京都大学大学院地球環境学堂 ・ 2黒松内町役場企画環境課
キーワード 産官学連携, 自然関連財務情報開示タスクフォース, 保護地域以外で生物多様性保全に資する地域, 環境再生型農業, 生物多様性地域戦略
Key word PPP, TNFD, OECM, regenerative agriculture, Local Strategy for the Conservation and Sustainable Use of Biological Diversity