第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

経営部門[Forest Management]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PD-1 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 福岡県における保安林種別の立地特性および伐採傾向
Location characteristics and logging trends of protected forest types in Fukuoka prefecture
所属 九州大学
要旨本文 保安林は特定の公益的機能の発揮が求められる森林が指定され、その目的に応じて立木の伐採制限が存在する。しかしながら、保安林が実際にどのような立地に分布し、また立木の伐採制限がどれほど働いているか検証した事例は極めて限られる。本研究では保安林種の違いが立地条件や皆伐確率に及ぼす影響を評価した。研究対象地は福岡県において水源かん養保安林、土砂流出防備保安林のいずれかに指定されている森林、およびいずれの保安林種の指定も受けていない森林である。対象森林内からランダムに得たサンプルに対し、立地の情報として傾斜角、標高、道との最短距離を、伐採の情報として2014-2022年の9年間における皆伐の有無をそれぞれ付与し、それらを保安林種ごとに集計した。また皆伐の有無を目的変数とする回帰分析も併せて実施した。立地情報の集計結果から保安林は傾斜角が大きく、標高が高い地点に偏って分布することが分かった。一方で皆伐確率および回帰分析の結果から、保安林指定が必ずしも皆伐の抑制につながらなかった。以上を踏まえて、保安林はおおむね目的に沿った立地の森林が指定される一方で、立木の伐採制限の働きはほとんど見られないと結論付けた。
著者氏名 ○金子徹平1 ・ 太田徹志2 ・ 溝上展也2
著者所属 1九州大学農学部 ・ 2九州大学大学院農学研究院
キーワード 保安林, 伐採, 立地
Key word protected forest, logging, location