第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

経営部門[Forest Management]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PD-30
発表題目 足尾荒廃山地における長期時系列空間データによる植生回復評価
Assessment of vegetation recovery using long-term time-series spatial data in Ashio
所属 宇都宮大学
要旨本文 本研究では我が国最初の公害とされる足尾鉱毒事件の原因となった足尾荒廃山地を対象に1940年代以降約80年間を対象期間として入手可能な空間情報データを使用し、山腹工や谷止工の施工状況、植生の変化を把握し、復旧過程についてモニタリングを行った。山腹工や谷止工については1950年代までは三川合流部下流を中心に施工されていたが、1960年代に久蔵川、仁田元川の上流部に向かって施工が進んでいった。1970年代以降は各流域の小流域ごとに集中的に施工が行われるようになっており、山腹工の進行とともに植裁が行われていることが確認された。一方で観測監視区域においても局所的に植生の回復状況が確認された。あわせて衛星データによる時系列解析結果で変化が顕著であった区域の植生回復の過程を明らかにすることができた。一方で、その区域の60%が林冠高10m以下、30%が5m以下であった。激害地内では未だに27.5%の非植生域が存在し,BSIの時系列解析結果では地域内では土砂崩壊,土砂移動も確認されている。長期的な視点でその復興,復旧のモニタリングを継続的に実施する点から利用可能な様々なデータを活用することが有効であることが確認できた。
著者氏名 ○松英恵吾
著者所属 宇都宮大学農学部
キーワード 足尾荒廃山地, 長期観測, モニタリング, 空中写真, 点群データ
Key word Ashio, ong-term observation, monitoring, aerial photography, Point cloud data