第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(第一会議室) |
講演番号 | PE-15 |
発表題目 | スギ幼齢植栽木の期間成長量はいつまでも期首形状比に支配される Growth of young sugi trees are persistently controlled by initial H/D ratio at the beginning of each growing season |
所属 | 宮崎大学 |
要旨本文 | 植栽時おける苗の高い形状比は植栽後の伸長成長を抑制することが知られている。しかし、この影響の持続期間を競合状態や系統間で比較した研究は少なく、特に下刈り省略に必要な知見が十分に得られていない。本研究では、スギコンテナ中苗の樹高成長及び直径成長における期首形状比依存性や、期首形状比の影響が競合状態や系統によって異なるのかを、相対成長率以外の分析によって明らかにすることを目的とした。2019年1月に植栽されたスギ特定母樹由来の4系統のコンテナ中苗の4年間の成長データを用いて、期首サイズで標準化した成長量(以下、標準化成長量)を算出し、これと期首形状比の関係を各生育期間および競合状態間で比較した。その結果、樹高成長はいずれの競合状態においても期首形状比が高いほど抑制され、逆に期首形状比が低いほど直径成長が抑制される傾向があった。これは、倒伏の危険性を回避するために植栽木の形状比が調節されていること示していた。期首形状比が低いことによる直径成長量の抑制はC3、C4で顕著であり、光合成生産量の制限に加え、周囲の競合植物による支持で倒伏の危険性が軽減されることで樹高成長を優先できるためだと推察された。 |
著者氏名 | ○伊藤哲1 ・ 田村弥和1 ・ 山岸極2 ・ 山川博美2 ・ 平田令子1 |
著者所属 | 1宮崎大学農学部 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所 |
キーワード | 低コスト再造林, 力学的安定性, 下刈り省略, 競合植生 |
Key word | low-cost reforestation, mechanical stability, omitted weeding, competing vegetation |