第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(第一会議室) |
講演番号 | PE-16 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | スギ幼齢造林木の被圧に対する樹冠発達の可塑性は系統によって異なる Plasticity of crown development in response to suppression in young sugi trees differs depending on cultivars |
所属 | 宮崎大学 |
要旨本文 | 低コスト再造林の1つとして下刈り省略が研究されている。スギは被圧を受けると樹冠発達が抑制され、本来の樹冠とは異なった樹冠形状となり、これがその後の成長に影響を及ぼす。そのため下刈り省略ではスギの樹冠が競合植生からどの程度被圧を受けているかを考慮しなければならない。しかしスギは系統によって本来の樹冠形状が異なるため、被圧に対する樹冠発達の可塑性が系統によって異なる可能性がある。しかし、複数系統で被圧に対する樹冠発達の可塑性を比較した例はない。そこで本研究では、第一世代精英樹、第二世代精英樹および在来品種のタノアカの計18系統の枝分布を調べ、積算枝量の高さ分布を用いた枝分布型と相対樹冠量の2つの指標から被圧に対する樹冠発達の可塑性を解析した。その結果、すべての系統で枝分布型が末広がり型になるほど樹冠量が大きくなる傾向があった。第二世代精英樹のほとんどは枝分布型が釣鐘型で、被圧に対する樹冠発達の可塑性は小さかった。本来の枝分布型が釣鐘型に近い系統では被圧に対する樹冠発達の可塑性が小さかった一方で、本来の枝分布型が末広がり型の系統では被圧に対する樹冠発達の可塑性が大きいことが示された。 |
著者氏名 | ○稲葉光飛1 ・ 伊藤哲1 ・ 山川博美2 ・ 山岸極2 ・ 祁答院宥樹3 ・ 平田令子1 |
著者所属 | 1宮崎大学農学部 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所 ・ 3鹿児島県森林技術総合センター |
キーワード | 積算枝量, べき乗式, 相対樹冠量, エリートツリー |
Key word | cumulative branch mass, power function, relative crown mass, elite tree |