第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PE-29 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 長伐期施業に誘導するための直径成長に必要なスギの樹冠量指標の検討と推定
Proposing optimal tree crown indices and criteria ensuring persistent diameter growth of sugi for long-rotation forestry
所属 宮崎大学
要旨本文 標準伐期を想定したスギ林を、大径材生産を目的とした長伐期林へ移行させるには、樹冠を成長させ直径成長を確保する必要がある。スギ林の樹冠量と直径成長に関する既往研究では、樹冠幅や樹冠長などの指標が用いられてきた。しかし、樹木は光合成生産物を幹表面に分配して肥大成長をしており、同じ樹冠量の樹木でも幹表面積の大きさは異なる。したがって、直径成長量を説明する指標として、樹冠量単体よりも樹冠量の幹サイズに対する相対値の方が有効である可能性がある。そこで本研究では、直径成長の説明変数として適切な樹冠量指標の検討と、長伐期施業に誘導するために必要な樹冠量の閾値の推定を目的とした。樹冠サイズおよび直径成長量は、熊本県上益城郡益城町および宮崎大学木花キャンパスにおいて調査した。その結果、樹冠体積、樹冠投影面積または樹冠表面積を幹表面積で除した指標が有効であること、樹冠長率が簡便で有効な指標となることが示された。また、この4つの指標を用いて長伐期化に必要な最低限の直径成長(0.4 cm/年)を実現できる閾値の推定を行ったところ、それぞれ0.72~1.1(m3/m2)、0.35~0.49(m2/m2)、1.7~2.2(m2/m2)、0.15~0.18(m/m)であった。
著者氏名 ○小田巻功大 ・ 金子夏海 ・ 伊藤哲 ・ 光田靖 ・ 平田令子
著者所属 宮崎大学農学部
キーワード スギ人工林, 幹表面積, 樹冠長率, 一般化線形混合モデル
Key word sugi plantation, stem surface area, Crown length ratio, GLMM