第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PE-47
発表題目 ホオノキ実生の生育に関与する遺伝および環境要因
Genetic and environmental effects on the growth of Magnolia obovata Seedlings
所属 富山県森林研究所
要旨本文  コナラ林保残伐後におけるホオノキの実生更新に関与する要因を明らかにするために、実生の生育調査およびマイクロサテライトマーカーを用いた親子解析を行い、実生発生2年目から5年目までの自殖子孫と他殖子孫の成長を比較した。実生の分布は親木であるホオノキ保残木の樹冠下に集中しており、親木からの距離依存的に減少した。自殖子孫および他殖子孫の個体数は同程度であったが、自殖子孫の成長は他殖子孫と比べて劣勢であり、両者の成長差は時間経過に伴い増大した。自殖子孫であること、親木の樹冠下に分布すること、光環境を説明変数とした一般化線形モデルによる解析の結果、自殖子孫であることによる成長への負の影響は実生発生4年目以降に現れた。一方、親木の樹冠下に分布することによる負の影響は実生発生直後から一貫しており、実生の成長への影響は遺伝的要因よりも強いことが示された。また、調査期間中に枯死した実生はいずれも親木の樹冠下に分布しており、自殖・他殖の偏りはなかった。親木の樹冠下には多くの実生が分布するが、その成長は強く抑制されており、実生更新に適さない環境であることが示唆された。
著者氏名 ○岡山侑子1 ・ 鈴木節子2 ・ 杉田久志1 ・ 中島春樹1
著者所属 1富山県農林水産総合技術センター森林研究所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
キーワード 実生更新, 親子解析, マイクロサテライトマーカー
Key word seedling regeneration, parentage analysis, microsatellite markers