第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PE-49
発表題目 令和元年房総半島台風の被害林における天然更新状況
Natural regeneration status in forests damaged by the 2019 Boso Peninsula typhoon
所属 千葉県農林総合研究センター
要旨本文 千葉県では、令和元年房総半島台風により被害を受けた森林の再生が喫緊の課題となっている。現在、森林整備事業による再生が進められているが、被害林すべてを事業で再生するには、膨大な時間と経費が掛かると推察される。一方、被害林の中には樹種を問わなければ天然更新により再生が進んでいる場合があり、天然更新が可能な条件を明らかにできれば、今後の被災時に天然更新が見込めない被害林に重点的に事業導入することで、効率よく森林の再生を進めることができる。そこで、台風被害を受けた森林が天然更新により再生可能な条件を明らかにするため、地域森林計画書の天然更新完了基準を参考に、被害から5年後の更新状況を22か所の被害林で調査した。調査では被害後に生育している広葉樹等のha当り本数や草本類の状況、シカの食害状況及び環境条件等を調査した。その結果、天然更新の対象を天然更新完了基準に記載の高木樹種に限れば、調査した被害林の41%、それ以外の高木樹種を含めれば59%、さらに小高木樹種を含めれば68%の被害林で天然更新が良好に進んでいた。また、阻害要因としては、アズマネザサやクズ等の繁茂及びシカの食害が大きいことが明らかになった。
著者氏名 ○岩澤勝巳1 ・ 桐澤凛2
著者所属 1千葉県農林総合研究センター森林研究所 ・ 2千葉県自然保護課
キーワード 台風被害林, 天然更新, 森林再生
Key word Typhoon-damaged forests, Natural regeneration, Forest regeneration