第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PE-50
発表題目 岐阜県郡上市の人工林皆伐跡地における天然更新の阻害要因の検討
Inhibiting factors of natural regeneration after clearcutting of planted forests in Gujo City, Gifu Prefecture
所属 岐阜県森林研究所
要旨本文  人工林を皆伐した後の適切な跡地管理の知見を得るため、岐阜県郡上市内の造林未済地8か所(標高330~890m、冷温帯地域)を対象に、皆伐後5年間の天然更新の動態を調査した。調査地に2×10mの帯状調査区(但し1か所は1×1m枠×32個の調査区)を設け、その中に侵入した木本の消長と成長を記録した。5年目の時点で高さ50㎝以上かつ競合植物の高さ以上の高木性種が3,000本/ha以上成立する場合に更新完了とみなして検証した結果、アカメガシワ、アオハダ、アカマツなどの高木性種が侵入し更新が完了したのは2か所であった。一方、完了しなかった箇所は6か所で、そのうち高木性種の侵入が少なかったのが2か所、高木性種の本数は満たしているがシロモジ、クサギ、キイチゴ属などの競合植物の高さ以下だった箇所が4か所あった。後者では侵入した高木性種の消失が多かった。その理由には、枯死、流出、食害が考えられ、このうち枯死の理由には競合植物による被圧が推察された。天然更新が成功するかどうかは、種子源など高木性種が侵入できる条件が整えられていることが前提であり、さらに侵入個体が生残し、成長できる環境が重要である。
著者氏名 ○久田善純 ・ 渡邉仁志 ・ 宇敷京介
著者所属 岐阜県森林研究所
キーワード 皆伐, 人工林, 天然更新, 阻害要因
Key word clearcutting, planted forest, natural regeneration, inhibiting factors