第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PE-61
発表題目 防鹿柵の開放による広葉樹植栽木と植生への影響
Effects of opening deer-proof fences on hardwood seedlings and vegetation
所属 兵庫農技総セ
要旨本文 ニホンジカ(以下、シカ)の増加に伴い、植栽地では防鹿柵の設置等が不可欠となっている。防鹿柵は、維持管理コストがかかることから、設置期間をなるべく短期にしたいと考えられているが、その知見は少ない。そこで、一定期間設置した防鹿柵を開放すると、クリ、ヤマザクラ、コナラの各植栽木及び植生にどのような影響が及ぼされるのかを明らかにすることを本研究の目的とした。調査は、シカ生息密度が異なる兵庫県内の2ヶ所(竹田、河原田)で実施した。竹田では植栽後7年目に防鹿柵を開放した。河原田では植栽後6年目に防鹿柵を開放した区(開放区)を部分的に設定した。両調査地では、開放後の植栽木の成長及び生死を記録し、植生調査を実施した。竹田では、防鹿柵の開放4年後(植栽後11年目)に、クリ(枯死前の平均樹高404cm)、ヤマザクラ(同240cm)、コナラ(同362cm)の枯死が確認された。河原田の開放区では、防鹿柵の開放3年後(植栽後9年目)に、植栽木全種(同205cm)の枯死が確認された。防鹿柵開放後の下層植生は、両調査地ともほぼ消失した。シカの生息密度によって、枯死する植栽木の平均樹高や防鹿柵の設置期間が異なることが示唆された。
著者氏名 ○伊東康人 ・ 中川湧太 ・ 藤堂千景 ・ 山瀬敬太郎
著者所属 兵庫県農林水産技術総合センター森林林業技術センター
キーワード ニホンジカ, 樹皮剥ぎ, シカ生息密度
Key word Sika deer, Bark stripping, Deer density