第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
開始時刻 | ポスター発表 |
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講演番号 | PF-19 |
発表題目 | スギ精英樹の交配家系を用いた成長フェノロジーにおける遺伝率の推定 Investigation of heritability in growth phenology using sugi plus tree families |
所属 | 森林研究・整備機構 森林総合研究所 林木育種センター関西育種場 |
要旨本文 | 【目的】日本の主要造林樹種であるスギは、青森県から鹿児島県まで天然分布しており、多様な生育環境に適応した多様な遺伝的形質を持つと考えられる。スギにおいて成長フェノロジー(成長量の季節変化)は、生存や成長との関連性が示唆される重要な形質である(河合ら 2022)。産地や系統による成長フェノロジーの差異については解明されているが、実生後代家系を用いた遺伝学的解析はあまり行われていない。そこで本課題ではスギの成長フェノロジーを対象に父母の遺伝的効果を明らかにする事を目的とした。【方法】成長フェノロジー特性が既知であるスギ系統を相互交配して26家系480個体の1年生実生苗を得た。これらを2023年5月に温室内の大型苗床に移植した。移植から1成長期後の2024年4月より同年12月まで、1月ごとに苗高を測定した。【結果】成長フェノロジーにおける家系効果は有意だった(two-way ANOVA, F = 2.80, p < 0.001)。家系平均値は花粉親の評価値と正の相関を示したが、母樹との相関は見られなかった(それぞれr =0.86, 0.25, p = 0.003, 0.59)。以上の結果から成長フェノロジーは親子間で共通し、父親の形質がより明瞭に引き継がれることが示唆された。 |
著者氏名 | ○河合慶恵 |
著者所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場 |
キーワード | 成長フェノロジー, スギ, 遺伝率 |
Key word | growth phenology, sugi, heritability |