第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(第一会議室) |
講演番号 | PF-2 |
発表題目 | 森林性クローナル低木ヤブコウジの条件的アポミクシスと遺伝的構造 Facultative apomixis and genetic structure of forestry clonal shrub, Ardisia japonica |
所属 | 鶴岡工業高等専門学校 |
要旨本文 | ヤブコウジ Ardisia japonicaは東アジアの森林林床に普通にみられる常緑矮性低木であり、地下茎による栄養繁殖を旺盛に行う。初夏に両性花をつけ、冬に鳥散布性の果実を発達させる。袋掛け実験の結果は高い自家和合性を示した。発芽種子の40%は胞子体性アポミクシス(不定胚形成)の特徴である多胚性を示し、ジェノタイピングによりアポミクシス性の胚形成を確認した。単胚性種子の胚の半数は有性生殖によるものだったが、多胚性種子の約80%はアポミクシス胚のみを持っていた。胞子体性アポミクシスの多くはシュードガミー(胚のうの重複受精による胚乳の発達)が必要である。ヤブコウジは自家受粉により胚乳形成とアポミクシスによる胚発生をする種子生産と、他殖による種子生産を併用していると考えられた。また、さまざまなスケールでの空間遺伝構造を解析した。群落スケールでは、実生は全く見られないものの、優勢度の高くない数種のジェノタイプが混在していた。ランドスケープレベルでは少数の優勢なジェノタイプがあった。群落スケールでは栄養繁殖が、ランドスケープレベルではアポミクシスが空間遺伝構造に寄与していることが考えられた。 |
著者氏名 | ○南淳1 ・ 中村悠香1 ・ 今野快音1 ・ 西村泰介2 |
著者所属 | 1鶴岡工業高等専門学校創造工学科 ・ 2長岡技術科学大学物質生物工学分野 |
キーワード | クローナル植物, アポミクシス, 種子散布, 無性生殖, 林床 |
Key word | clonal plant, apomixis, seed dispersal, aseual reproduction, understory |