第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PF-23
発表題目 マツ材線虫病被害林分から選抜したアカマツの抵抗性および諸形質の変異
Variation of nematode resistance and wood properties of Japanese red pine selected from damaged forest
所属 岩手県林業技術センター
要旨本文 マツ材線虫病被害林分からアカマツ抵抗性候補木を効率的に選抜するため、選抜林の林種(人工林・天然林)・林分間での抵抗性および諸形質の変異を把握し、林分内選抜数の検討を行った。解析対象は27林分、158選抜木(諸形質は25林分、123選抜木)で、接種検定生存率から推定した抵抗性の育種価(Res)、集植所で測定した胸高直径、応力波伝播速度、ピロディン陥入量の遺伝子型値(DBH、Vs、Pp)を用いた。Res、DBH、Vs、Ppは林種間で有意差はなく、林分の寄与率は5、21、24、0%であった。林分ごとの平均値の標準偏差を林分間変異、林分の標準偏差の平均値を林分内変異とした場合、何れも林分間変異に比べ林分内変異の方が大きかった。このことから、抵抗性、諸形質ともに、複数林分からの選抜よりも、同一林分で複数個体を選抜した方が効率良く選抜できると示唆された。また、林分内選抜数が増えるほど分布は母集団に近づき、林分間変異が小さくなった。林分間で有意差が検出されなくなる選抜数はRes:4、DBH:6、Vs:5、Pp:2だった。以上から、林分内選抜数は、抵抗性改良を目的とする場合は4個体以上、諸形質を改良する場合は2~6個体以上が望ましいと考えられた。
著者氏名 ○丹羽花恵1 ・ 蓬田英俊1 ・ 井城泰一2 ・ 宮本尚子2
著者所属 1岩手県林業技術センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター東北育種場
キーワード マツノザイセンチュウ抵抗性, 応力波伝播速度, ピロディン値, 林分内変異, アカマツ
Key word Pine nematode resistance, Stress wave velocity, Pilodyn penetration, Variation in forest stand, Japanese red pine