第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PF-28
発表題目 愛媛県の開放型ミニチュア採種園における少花粉スギ種子の園外花粉率は?
What is the outside-pollen contamination rate of few pollen cedar seeds from open miniature seed orchard in Ehime?
所属 愛媛県農林水産研究所林業研究センター
要旨本文 スギ花粉症は国民の約4割が罹患し、深刻な社会問題となっている。愛媛県では花粉症対策種苗を供給するため、開放型スギ少花粉ミニチュア採種園(宇和島市津島町)を2017年から2018年にかけて造成しており、2023年秋に初めて種子を採取した。一方で、本採種園は山間部に位置し、周囲にはスギ人工林が多く存在する。さらに、本採種園母樹は、花粉生産量が従来の約1%以下である少花粉品種のみで構成されていることから、通常の開放型採種園よりも多くの園外花粉の混入が懸念される。そこで本研究では、採取された少花粉種子の園外花粉率を明らかにすることを目的とした。2022年夏にジベレリン処理を行い、翌年秋に得られたスギ少花粉の種子を2024年4月に播種し得られた毛苗105個体、及びスギ少花粉母樹26系統からそれぞれ核DNAを抽出し、SSR分析により遺伝子型を決定した。Cervus3.0.3を用いて親子鑑定を行った結果、2023年産スギ少花粉種子の園外花粉率は71.4%であり、既存の開放型スギエリートツリーミニチュア採種園の報告と同程度であった。愛媛県における2023年春のスギ花粉飛散量は、例年に比べ非常に多く、そのことが影響していると考えられた。
著者氏名 ○田口裕人 ・ 西原寿明
著者所属 愛媛県農林水産研究所林業研究センター
キーワード 園外花粉率, 少花粉スギ, 花粉症対策
Key word outside-pollen contamination rate, few japanese cedar, countermeasure for pollinosis