第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PF-33
発表題目 センダンの難発根性はホルモンの影響か?メチル化の影響か?
What makes Melia azedarach hard-to-root : Hormonal Regulation or Methylation?
所属 宮崎県林業技術センター
要旨本文  センダンは、材の経済的な価値の高さと成長の早さを併せ持つ、国産早生広葉樹として最も期待されている樹種の一つである。将来的に、優良系統のクローン増殖を効率的に行うためには、挿し木は最も効率的な選択肢の一つとなる。しかし、センダンは難発根性であり、実用的な挿し木技術は確立されていない。 本研究では、用土を使わずに挿し穂から発根させる技術である「エアざし」をセンダンに適用し、母樹の樹齢、採穂時期や部位、発根促進剤の有無等の条件を変えて挿し木試験を行った。その結果、実生や幼木では条件次第で発根するが、成木ではいずれの条件でも発根しないという結果となった。幼木と成木で発根性が異なっていた要因について、組織の成熟度が影響すると考え組織観察を行ったところ、組織の成熟度にかかわらず、発根しない場合はそもそも根原体が形成されていないことが分かった。さらに、成木の地上部のさし穂では発根が認められなかったのに対し、根を利用した「分根」は可能であった。このことから、センダンの難発根性には、内生ホルモン量の変化・メチル化などに加え、枝と根のような器官の違いが発根に関与することが示唆された。
著者氏名 ○向井伸生1,2 ・ 室永藤子2 ・ 渡辺敦史2
著者所属 1宮崎県林業技術センター ・ 2九州大学大学院生物資源環境科学府
キーワード センダン, 難発根性, 挿し木, 植物ホルモン, エピジェネティクス
Key word Melia azedarach, hard-to-root, cutting, plant hormones, epigenetics