第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PF-35
発表題目 スギ挿し木苗における付傷処理による発根誘導効果
Effect of wounding treatment on rooting in Cryptomeria japonica cuttings
所属 島根県中山間地域研究センター
要旨本文  島根県において造林で一般的に用いられるオキノヤマスギは、マルチキャビティコンテナへ直挿しした場合、挿し穂の基部以外で不定根が形成されないため根の発達が不十分で根鉢が形成不良になる。 本研究では基部以外に付傷処理を行い、発根性を高めることを目的した。2024年4月上旬に本品種から選抜した特定母樹(第二世代精英樹)から採取した穂に付傷処理を施してから挿し付けた。付傷処理は5mmの長さで木部に達する深さまでメスで組織を切除した。この処理は挿し穂の基部から約5cmの高さまでの範囲に合計6カ所行った。挿し穂数は付傷処理区、無処理区とも約120本とした。当年の9月~12月に掘り取り、発根率や伸長した根の長さを調査した。 発根率は処理区で95%、無処理区で51%であった。処理区では基部以外からも発根が認められた。挿し穂1本あたりの根の平均発根数は処理区で10.9本、無処理区で6.8本であった。また、挿し穂1本あたりの根の平均総延長は処理区で82cm、無処理区で52cmであった。付傷処理により挿し穂の基部以外からも発根を誘導し、発根率や発根量を増加させる効果があることが示された。
著者氏名 ○庄司優太 ・ 陶山大志
著者所属 島根県中山間地域研究センター
キーワード 不定根, 発根率, スギコンテナ苗
Key word Adventitious root, Percentage of rooting, Containerized Sugi