第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PF-37
発表題目 ヒノキにおけるゲノム編集技術の確立
Establishment of genome editing technology in hinoki cypress
所属 (国研)森林研究・整備機構
要旨本文  ヒノキは近年ゲノムが解読され、分子育種や遺伝子の機能解析に基づく有用形質発現のメカニズム解明が期待されている。特に近年社会問題化している花粉症に対し、無花粉等の形質は重要な育種目標である。そこで我々は、育種年限の短縮化や逆遺伝学的な解析ツールの基盤構築を目的として、ヒノキにおけるゲノム編集技術の開発を試みた。 ヒノキのゲノム編集に必要な形質転換系は谷口らにより報告されているアグロバクテリウム法を基盤とし、共存培養条件等の改良を行った。GFP遺伝子を可視化マーカーとして、改良法による形質転換効率を算出した結果、1 gの供試細胞あたり平均582系統と高い効率が得られた。次に改良法を用いて、スギで確立しているCRISPR/Cas9システムによる葉緑素合成遺伝子を標的としたゲノム編集ベクターを遺伝子導入した。得られた組換え細胞についてフラグメント解析を実施した結果、約20~52%の効率で両遺伝子座に変異が導入された系統の獲得に成功した。変異の確認された6系統の細胞から個体再生した結果、全ての個体で白化が確認され、シーケンス解析によっても標的とした葉緑素合成遺伝子に数塩基の欠損または挿入変異が確認された。
著者氏名 ○小長谷賢一1 ・ 七里吉彦1 ・ 平尾知士2,1 ・ 楠本大3 ・ 谷口亨1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林バイオ研究センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター ・ 3東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林千葉演習林
キーワード 変異導入, 葉緑素合成, Chamaecyparis obtusa, CRISPR/Cas9
Key word mutagenesis, chlorophyll synthesis, Chamaecyparis obtusa, CRISPR/Cas9