第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PF-4 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 四国・紀伊半島地方における2倍体ダケカンバの詳細な分布域と遺伝的特性
Detailed distribution and genetic characteristics of diploid Betula ermanii in the Shikoku and Kii Peninsula
所属 筑波大学
要旨本文  ダケカンバは、日本の九州・中国地方を除く多様な立地環境に分布しており、山岳地の森林形成において重要な役割を果たす種である。ダケカンバの倍数性は4倍体であるが、近年ダケカンバの生育南限地である四国、紀伊半島地方の集団は2倍体であることが報告された。そこで本研究はその2倍体の、詳細な分布域と4倍体との分布の違い、遺伝的特性を解明することを目的として、紀伊半島と四国の集団を対象にフローサイトメトリーによる各個体の倍数性の推定とMIG-seqによる遺伝解析を行った。 その結果、2倍体は4倍体に比べより高標高地、傾斜方位が北側の急斜面に多く分布していることが分かった。遺伝的多様度を表す指標値の結果より、2倍体集団において任意交配が維持されていることが示された。また、2倍体のみの集団遺伝構造解析の結果、2倍体は四国の石鎚山周辺、剣山周辺、紀伊半島に区分されることが、 2倍体と4倍体のデータセットでの集団遺伝構造解析の結果、2倍体は遺伝的に四国と紀伊半島に区分されることが分かった。さらに、四国において3倍体と推定された個体が一個体発見され、低頻度ではあるが2倍体と4倍体間の交雑が起こっている可能性が示唆された。
著者氏名 ○白谷紗英1 ・ 相原隆貴2 ・ 津村義彦2
著者所属 1筑波大学生物資源学類 ・ 2筑波大学生命環境系
キーワード ダケカンバ, 倍数性, フローサイトメトリー, MIG-seq
Key word Betula ermanii, polyploidy, Flow cytometry, MIG-seq