第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
開始時刻 | ポスター発表 |
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講演番号 | PG-10 |
発表題目 | CRISPR/Cas9法によるスギMS1遺伝子の変異誘発と雄性不稔化 CRISPR/Cas9-mediated mutagenesis of sugi MALE STERILITY 1 (MS1) gene and male sterilization |
所属 | 森林総合研究所 |
要旨本文 | 無花粉(雄性不稔)スギの家系から同定されたMALE STERILITY 1(MS1)遺伝子は、遺伝子中のDNAの一部が欠失しており、この欠失変異が雄性不稔の原因と考えられている。逆に、有花粉スギの正常なMS1遺伝子に人為的に変異を誘発することができれば無花粉になると予想され、同時にMS1が花粉形成に必須であることが証明できる。本研究では、ゲノム編集技術のCRISPR/Cas9法を用いて、スギのMS1遺伝子に変異を誘発することを試みた。MS1遺伝子を標的とするCRISPR/Cas9ベクターを構築し、アグロバクテリウム法を用いてベクターをスギの不定胚形成細胞に導入した。ベクターを持つ細胞(カルス)のMS1遺伝子を解読し、欠失変異や挿入変異を生じたカルスを選抜した。選抜したカルスから不定胚を経由して、ゲノム編集スギを再生した。各ゲノム編集スギのMS1遺伝子には、1塩基のホモ欠失、2塩基のホモ欠失、また異なる欠失や挿入を含むヘテロ変異が生じていた。ゲノム編集スギにジベレリン(GA3)を散布して着花を誘導した。ゲノム編集スギでは、花粉が作られず雄性不稔となっており、MS1遺伝子が花粉形成に必須であることが分かった。 |
著者氏名 | ○西口満1 ・ 丸山E.毅1 ・ 宮澤真一1 ・ 藤野健2 ・ 笠原雅弘2 ・ 重信秀治3 ・ 山口勝司3 ・ 上野真義1 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 ・ 2東京大学大学院新領域創成科学研究科 ・ 3基礎生物学研究所超階層生物学センター |
キーワード | ゲノム編集, スギ, 挿入変異・欠失変異, 無花粉スギ |
Key word | genome editing, Cryptomeria japonica, indel mutation, pollen-free sugi trees |