第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(第一会議室) |
講演番号 | PG-25 |
発表題目 | スギ産地試験地における冬季と夏季の比較トランスクリプトーム解析 Seasonal transcriptome difference of Cryptomeria japonica in common gardens |
所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 |
要旨本文 | スギにはウラスギ、オモテスギ、ヤクスギの主要な遺伝的グループがあり、それぞれの分布域の環境に適応していると考えられる。環境適応遺伝子及びその遺伝的変異を明らかにするために、スギ天然林集団が植栽された宮城の産地試験地で冬季に33個体、夏季に30個体についてRNA-Seqを行い、スギゲノム参照配列にリードをマッピングして遺伝子の発現量及び一塩基多型(SNP)のデータを得た。25599転写産物について夏と冬における発現を比較したところ、夏季に発現が高い626遺伝子、冬季に発現が高い373遺伝子が検出された。シロイヌナズナの相同遺伝子の機能を参照して解析した結果、夏季の高発現遺伝子にはスフィンゴ脂質、キチン、ワックス生合成や細胞壁生合成遺伝子などの成長に関わると考えられる遺伝子が多く、冬季の高発現遺伝子には光ストレスへの応答遺伝子が多かった。遺伝的分化の指標(SNPでの主成分分析の第1主成分)と各遺伝子の発現量の相関関係を解析したところ、夏季の高発現遺伝子のうち3遺伝子は夏季にオモテスギで発現が高い傾向が認められ、オモテスギの環境適応に重要であることが示唆された。本研究はJSPS科研費 JP24H00527の助成を受けて行った。 |
著者氏名 | ○伊原徳子1 ・ 内山憲太郎1 ・ 陶山佳久2 ・ 津村義彦3 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 ・ 2東北大学大学院農学研究科 ・ 3筑波大学生命環境系 |
キーワード | スギ, トランスクリプトーム, 季節間比較 |
Key word | Cryptomeria japonica, transcriptome, Seasonal change |