第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PG-29 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 熱帯フトモモ科樹木の根の呼吸の適応による根圏低酸素下での高温耐性
High temperature tolerance under rhizospheric hypoxia through adaptation of root respiration in tropical Myrtaceae trees
所属 東京大学大学院
要旨本文 熱帯荒廃低湿地では湛水環境での高温ストレスが樹木の生育の阻害要因となり得る。このような環境での植栽時の苗木の生残を規定する要因として、ATP生産を担う呼吸の適応に着目した。高温耐性に重要であると知られる、高温時の呼吸の馴化やシアン耐性呼吸の増加が、低酸素環境での高温ストレスに対しても耐性と関係があるのか、またそれらの応答は糖および酸素消費に対するATP生産効率を向上する適応的な応答であるのかを明らかにすることを目的とした。熱帯低湿地に自生するフトモモ科樹木であるMelaleuca cajuputiとSyzigium属3種、また川沿いに生育するEucalyptus camaldulensisを対象とした。水耕栽培系で、好気条件あるいは低酸素条件の下、水耕液の温度を30℃あるいは35℃に設定した4処理区で4日間のストレス処理を行った。根端を採取して、根のエネルギー状態、酸化ストレスの指標であるMDA含量、根の好気呼吸(シトクロム呼吸とシアン耐性呼吸)と嫌気呼吸速度を測定した。低酸素下での高温に対する耐性の種間による違いは、好気呼吸や嫌気呼吸の馴化とは関連がなく、嫌気呼吸とシアン耐性呼吸の制御によるATP生産効率の変化と関連している可能性が明らかになった。
著者氏名 ○川江萌々香 ・ 則定真利子 ・ 山ノ下卓 ・ 小島克己
著者所属 東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード シアン耐性呼吸経路, シトクロム呼吸経路, エネルギー生産, Melaleuca cajuputi, Syzigium属
Key word Alternative respiration pathway, Cytochrome respiration pathway, Energy Production, Melaleuca cajuputi, Syzigium