第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PG-3
発表題目 コナラとシラカシの苗の木部通水の季節変化のMRIによる可視化
Visualization of seasonal change of xylem sap flow in a Quercus serrata and Quercus myrsinifolia seedlings with a MRI
所属 東京大学
要旨本文  地球温暖化や都市化により、乾燥ストレスや病虫害による樹木被害の増加が懸念されている。幹の二次木部は、樹種により道管の分布様式が異なり、その通水機能の季節変化や経年変化は不明な点が多い。幹全体での樹液流量の日中変化や季節変化はヒートパルス法やグラニエ法などにより測定可能であるが、道管の形成や乾燥ストレスによるエンボリズムの発生など、通水機能の変化に関する情報は得られない。MRI(核磁気共鳴イメージング)を用いれば、樹幹横断面中の樹液流速分布を非破壊で画像化でき、木部の道管形成や通水機能の変化を詳細に把握できる。本研究では、ブナ科の環孔材樹種コナラ(Quercus serrata)と放射孔材樹種シラカシ(Quercus myrsinifoli)を対象に、MRIによる樹液流速の可視化(位相シフト法)を行い、木部形成と道管の通水機能の季節変化を明らかにした。コナラでは、主に当年輪で通水が観察され、7月頃までは当年早材の樹液流量が増加し、8月以降は当年晩材部の寄与率が増加した。シラカシでは、髄付近、旧年輪、当年輪で放射方向に顕著な通水領域が見られ、6月~8月上旬に当年輪の通水の増加とともに総流量が増加した。
著者氏名 ○平川雅文 ・ 舟川馨 ・ 鎌田直人 ・ 福田健二
著者所属 東京大学農学部
キーワード 水分通導, 非破壊測定, 樹木用コンパクトMRI
Key word water conduction, non-invasive measurement, a compact MRI for tree