第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(ロビー) |
講演番号 | PH-19 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | キイチゴ類が繁茂した大規模雪崩跡地における後生実生のサイズ構造の変化 Changes in size structure of post-avalanche seedling at the large avalanche site where Rubus spp. grows in abundance. |
所属 | 信州大学 |
要旨本文 | 気候変動に伴う雪崩の大規模化とその後の森林回復が危惧される。本研究では、2017年に南アルプスで発生した大規模雪崩跡地における後生実生のサイズ構造とその推移を解析した。本調査地では、キイチゴ類が広範に繁茂しているという点が既往研究と異なり、特徴的である。調査は2022年から2024年に実施し、雪崩跡地に設置した3本のラインプロット(斜面上部からL1、L2、L3)で行った。ライン上の1m2方形区内で、カラマツ、コメツガ、シラビソ類、ダケカンバ、トウヒの後生実生の個体数と樹高、キイチゴ類の被覆率と群落高を測定した。その結果、キイチゴ類の被覆率と群落高はL3で最も高く、L1で最も低かった。個体数が最も多かったカラマツの密度はL1で最も高く、L2で急減し、L3ではほとんど見られなかった。さらに、カラマツはサイズ構造が変化し、2024年にはL1、L2でキイチゴ類から突出した。その他の樹種の密度は低く、ほとんどの個体がキイチゴ類より低く、サイズ構造に変化はなかった。以上から、初期の森林回復は空間的に不均質になると考えられ、L1はカラマツ林、L2はまばらなカラマツ林、L3はキイチゴ類の繁茂がしばらく続くと予測された。 |
著者氏名 | ○永田紘夢1 ・ 岡野哲郎2 ・ 城田徹央2 |
著者所属 | 1信州大学大学院総合理工学研究科 ・ 2信州大学農学部 |
キーワード | 大規模雪崩跡地, 亜高山帯針葉樹林, キイチゴ類, 南アルプス |
Key word | Large-scale avalanche site, Subalpine coniferous forest, Rubus spp., Minami Alps |