第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(ロビー) |
講演番号 | PH-25 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | シカ柵内の樹木実生群集の推移に地上部と地下部の環境要因が与える影響 Effects of the above- and below-ground environments on the transition of tree seedling communities in deer exclosures |
所属 | 東京大学大学院 |
要旨本文 | シカの強い食害を受けている森林では、シカ排除柵によって実生更新が促進されると考えられている。しかし、個体数やサイズ構造、種組成の観点から実生更新に成功していないケースも数多く存在する。樹木の実生更新は種子供給や光条件、土壌といった複数の要因の影響を受ける。加えてシカの存在下では、シカに起因する下層植生の減少が、土壌環境の改変や上層木の減少による光環境や種子供給の変化をもたらし、さらにこれらの環境条件が下層植生に影響を与えるフィードバック作用 が実生更新に差異を生む可能性がある。本研究では、シカ柵内における樹木実生群集と生育環境との相互作用が樹木実生群集の種組成及び動態に与える影響を明らかにすることを目的とした。東京大学秩父演習林内の30地点に設置された30 m四方のシカ柵試験地において、2 m四方の方形区を1つずつ設定し、2018年と2024年に樹木実生の生残及び成長を調査した。一般化線形モデルを用いて、樹木実生群集の種組成の経年変化、生存・成長率と柵設置当初の植生との関係、2018年の環境条件との関係を検証し、シカ排除条件下で実生更新状況の差異がもたらされるメカニズムを考察した。 |
著者氏名 | ○内藤英理香1 ・ 梅木清2 ・ 平尾聡秀1 |
著者所属 | 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2千葉大学大学院園芸学研究科 |
キーワード | 森林更新, 実生動態, サイズ構造, 種多様性, 植食圧 |
Key word | forest regeneration, seedling demography, size structure, species diversity, browsing pressure |