第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
開始時刻 | ポスター発表 |
---|---|
講演番号 | PH-29 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 京都市近郊二次林におけるアラカシの種子生産に対する種子食昆虫の影響 Effect of seed-feeding insects on acorn production of Quercus glauca in a secondary forest, Kyoto, Japan |
所属 | 京都府立大学大学院 |
要旨本文 | ブナ科樹木は大型で栄養豊富な種子(堅果)を生産し、その堅果は散布前から多くの昆虫に加害されることが知られている。種子食昆虫による加害は種子生産量を左右するため、樹種による種子食昆虫の影響の違いが森林変化に寄与している可能性がある。本研究では、常緑広葉樹アラカシの種子生産パターンに種子食昆虫が与える影響を明らかにすることを目的とし、京都市近郊の2林分(宝ヶ池・上賀茂)において季節的な雌繁殖器官落下量(花・堅果)や脱落要因を調べた。 6年間にわたる調査の結果、花から成熟健全堅果に至る脱落過程において、宝ヶ池・上賀茂ともに未熟脱落の影響が最も大きく、それに次いで宝ヶ池ではブナ科のジェネラリストとされるハイイロチョッキリによる吸汁、上賀茂ではアラカシのスペシャリストであるタマバチによる加害の影響が大きかった。飼育実験の結果、ハイイロチョッキリのアラカシへの吸汁は日和見的であること、タマバチの加害は全てが発芽を妨げるものではないことが示唆された。アラカシの雌花量と成熟健全堅果落下量には正の相関があり、アラカシは種子食昆虫の影響をあまり受けずに雌花量に応じた成熟健全堅果が生産されていると考えられた。 |
著者氏名 | ○髙橋優希1 ・ 池本拓真1 ・ 神津州佑2 ・ 平山貴美子1 |
著者所属 | 1京都府立大学大学院生命環境科学研究科 ・ 2京都府立大学生命環境学部 |
キーワード | 種子食昆虫, 種子生産, アラカシ, ハイイロチョッキリ, タマバチ |
Key word | seed-feeding insects, acorn production, Quercus glauca, Cyllorhynchites ursulus, Synergus itoensis |