第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
開始時刻 | ポスター発表 |
---|---|
講演番号 | PH-31 |
発表題目 | アラスカ永久凍土域のクロトウヒにおける肥大成長の長期変動の特徴と要因 Characteristics of long-term variations in radial growth of Picea mariana in the Alaskan permafrost region |
所属 | 森林総合研究所 |
要旨本文 | 近年、北方林では大規模火災が増加傾向にあるが、火災が北方林の炭素蓄積機能に与える影響は十分に解明されていない。特に、永久凍土域に成立する森林では、火災による永久凍土面の沈下とその後の森林回復に伴う永久凍土面の再上昇が生じるため、その影響はより複雑であると考えられる。本研究では、永久凍土面が比較的深い斜面上部と浅い斜面下部において、樹木の肥大成長量の長期変動パターンを明らかにし、その変動要因を検討することを目的とした。 アラスカ内陸部の火災から約120年が経過した斜面に成育するクロトウヒ26個体から木部試料を採取し、年輪幅から過去の肥大成長量の変動を推定した。また一部の個体において、水利用効率の指標となる年輪の炭素安定同位体比および樹木が利用する水源の指標となる酸素安定同位体比を測定した。 肥大成長は斜面上部では火災の約80年後まで良好で、その後鈍化したのに対し、斜面下部では火災の約30年後から低調であった。肥大成長量と炭素安定同位体比および酸素安定同位体比との間に明瞭な関連性は見られなかった。本調査地では、水分条件ではなく地温等の他の要因が肥大成長の長期変動に寄与している可能性が示唆された。 |
著者氏名 | ○大橋伸太1 ・ 安江恒2 ・ 山岸松平1 ・ 小山明日香1 ・ 松浦陽次郎1 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2信州大学 |
キーワード | 年輪解析, 森林火災, 不連続永久凍土 |
Key word | Tree-ring analysis, Forest fire, Discontinuous permafrost |