第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(ロビー) |
講演番号 | PH-5 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | モンゴル北部に生育するシラカンバにおける炭素安定同位体比の年輪内変動 Intra-annual variation in stable carbon isotope ratio in birch tree ring growing in northern Mongolia |
所属 | 信州大学大学院 |
要旨本文 | モンゴルの森林は永久凍土分布域の南限地域に位置し、気候変動の影響を強く受けると考えられるが、樹木の肥大成長における気候応答プロセスについては未解明なままである。本研究では火災後の先駆種であるシラカンバ(Betula platyphylla)を対象に水ストレスの指標となる炭素同位体比(δ¹³C)からの成長と気候の関係の解明を目的とした。モンゴル国立大学ウドレグ研究林(48.27N, 106.85E)の北西向きの緩斜面で、樹齢約50年のシラカンバの年輪コア試料を採取し、クロスデイティングを行った。熱水、トルエン・エタノール抽出を行った後、25μm厚の板目面連続切片を採取した。各切片について質量分析計を用いてδ¹³C値を測定した。2003年から2008年までの6年輪のうち、3年輪ではδ¹³C値は成長初期に低下したのち上昇し、後期に低下した。一方、初期に低下したのち上昇し続け後期に低下が認められない年、初期の低下が無く年輪の終わりまで上昇し続けた年、初期に上昇したのち低下した年も認められた。つまり、年ごとで変動パターンが異なった。よって、水ストレスの季節変動が年ごとで異なることが示唆される。今後は個体数と年数を増やし個体間の共通変動を明らかにする。 |
著者氏名 | ○倉田遼大1 ・ 城田徹央2 ・ 松浦陽次郎3 ・ Gelbaatar, Sukhbaatar4 ・ Baatarbileg, Nachin4 ・ 安江恒5 |
著者所属 | 1信州大学総合理工学研究科 ・ 2信州大学学術研究院農学系 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 4モンゴル国立大学 ・ 5信州大学山岳科学拠点 |
キーワード | シラカンバ, モンゴル, 炭素安定同位体, 年輪 |
Key word | birch, Mongolia, stable carbon isotope ratio, tree ring |