第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PH-7 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 早生桐のバイオマス成長に伴う炭素固定量と最適土壌条件の検討
Carbon fixation rate and optimum soil conditions for biomass growth of fast growing Paulownia trees
所属 成蹊大学
要旨本文 植林による大気中二酸化炭素の固定を目的として、杉の4倍の炭素固定速度を持つといわれる早生桐(Paulounia tomentosa)を用いて植林実験を行っている。2020年5月から始まった、千葉県成田市内の4つの圃場での植林では、潅水や施肥などの条件などを変え、成長データの記録とバイオマス・土壌などの分析を行った。桐は気温が20℃を超える5月から10月にかけて早い成長を示し、その他の時期は葉が落ちて成長が止まる。成長量は、圃場とその内部の位置ごとの土壌条件によって異なる。アロメトリー式を用いて樹高と胸高直径から推測したバイオマス量は、2022年11月の土壌サンプルの分析結果では、窒素濃度が0.5~1.0 g/kgの圃場では、バイオマス成長量との間に正の相関が見られたが、それ以上の窒素濃度では成長量との相関が見られなかった。また、極端に成長が遅い苗に鶏糞などを施肥すると成長速度が上がる場合があることから、窒素濃度が成長の律速要因であることが示唆された。しかし植樹から3年目以降、胸高直径のばらつきが大きくなり、樹高の増加もやや遅くなったことから、成長量速度に対して窒素量が不足気味になった可能性がある。
著者氏名 ○酒井恒介 ・ 鈴木誠一
著者所属 成蹊大学バイオエレクトロニクス研究室
キーワード 早生桐, 窒素動態, 炭素固定, 成長促進
Key word Paulownia tomentosa, Nitrogen dynamics, Carbon fixation, Growth promotion