第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PI-17 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 兵庫県南東部における社叢林土壌は優占種によりどのような影響を受けるのか
How Does the Soil in Shrine Forests in the Southeastern part of Hyogo Prefecture Get Affected by Dominant Species
所属 神戸大学
要旨本文 社叢林とは,社寺が所有している自然林または人工林のことを指す.その多くが孤立林として都市域に点在し,様々な生態系サービスおよび文化的サービスを提供する貴重な都市緑地である.本研究では,兵庫県南東部に位置する西宮市の西宮神社と鳴尾神社の社叢林を対象とし,優占種が土壌特性に与える影響と,その適応特性を明らかにすることを目的とした. 土壌サンプルの理化性質分析の結果により,クスノキが優占するプロットの土壌は柔らかく湿潤で通気性が良好であり,酸性寄りかつ肥沃度が高かった.このような土壌条件は,優占種が適応しやすく,植物の根の成長を促進することで,競争優位性を発揮できる可能性が高いと考えられる.一方で,ムクノキなどを主体とするプロットでは,土壌は硬く乾燥し,通気性が悪く,pHが高く肥沃度が低い傾向を示した.このような厳しい環境でも生育できる陽樹などが優位になると予想される.しかし,これらは限られた範囲で適応しているものの,優占種ほど競争力を発揮できない可能性もある.社叢林全体の林分構造は常緑高木種が優占していることから,全体の土壌は,優占種に適したものである可能性が高い.
著者氏名 ○任睿 ・ 石井弘明 ・ 東若菜
著者所属 神戸大学大学院農学研究科
キーワード 社叢林, 土壌理化学性, 森林土壌, クスノキ
Key word Shrine Forests, Physical and chemical properties of soil, Forest soils, Cinnamomum camphora