第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(ロビー) |
講演番号 | PI-18 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 流域内湧水湿地の消長とそれに伴う樹林化プロセスの解明 Extinction of spring-fed wetland watersheds and associated silvicultural processes |
所属 | 名古屋大学 |
要旨本文 | 本研究は東海地方の特徴的な生態系の一つである湧水湿地の保全に向け、湧水湿地の消長(特に維持、衰退)と衰退に伴う樹林化プロセスの解明を目的とした。愛知県瀬戸市の、東京大学生態水文学研究所穴の宮試験流域(13.9h a)にある一つの湿地(0.7h a)を対象とし、現地調査と地形解析を行なった。この湿地は過去の航空写真を画像解析すると湿地面積が1.1h aであった。現在までに湿地は約0.4h a消失したが、消失した地域の現地調査では地域の外側から内側に向かって樹木がその地域の上空を覆うように生えていた。また地形解析から、流路方向に対して湿地として成立可能な部分の横幅が5mを閾値として湿地の現存部と消失部に区別された。これらから、湿地周辺の樹木の被覆により湿地環境に影響が起きやすい湿地幅が5m以下だと考えられる。また、湿地には斜面傾斜が急激に緩やかになる、湧水が発生しやすい地形が存在した。しかしこのような地形は以前湿地だったが現在は樹林化した地域にも見られる。そのため湿地の消長を決定する地形要因は、湧水の発生を促す傾斜の急激な変化だけでなく周辺樹木の影響を受けにくい湿地幅が関係していると考えられる。 |
著者氏名 | ○枩村佳祐1 ・ 小谷亜由美2 ・ 五味高志2 |
著者所属 | 1名古屋大学農学部 ・ 2名古屋大学大学院生命農学研究科 |
キーワード | 地形的特徴, 消長, 植生遷移 |
Key word | topographical features, prosperity and decay, vegetation transition |