第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PI-20 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 樹木幹メタン放出と樹形の関わり
Connection between tree architecture and trunk methane emission pattern
所属 京都大学
要旨本文 樹木は,幹内部に存在するメタン生成菌が作ったメタンを,幹表面から放出することがあり,温室効果ガスであるメタンの新たな放出源として近年注目されている。これまでの幹メタン放出の研究は,手の届く地上高0~2mのみで計測していることが多いが,幹上部からのメタン放出が大きい可能性もある。また,2m以下の幹には枝がないことが多いため,分枝がメタン放出パターンに与える影響も検討できていない。この研究では,メタン放出の垂直パターンを明らかにするために、京大芦生研究林のブナの林冠木23個体を対象として,幹に沿って地上7mまでの数か所で放出量を計測した。その結果,ほぼすべての個体で,メタン放出は地上2mよりも高い場所で最大になり,しかも半数以上の個体で,生枝下高付近でメタン放出がピークになるような垂直パターンがみられた。一部の個体で,木材を成長錐でサンプルし,メタン生成ポテンシャルを測ったところ,材密度が低く含水率が高い腐朽材でメタン生成のホットスポットがみられた。メタン生成は幹内部でランダムに分布しているのではなく,木材腐朽をなかだちとして,枝分かれという宿主樹木の構造に影響される可能性が示唆された。
著者氏名 ○持留匠 ・ 檀浦正子 ・ Daniel Epron
著者所属 京都大学大学院農学研究科
キーワード 幹メタン放出, メタン生成菌, 枝分かれ, ブナ, メタン
Key word trunk methane emission, methanogenic archaea, branch, beech, methane