第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PI-23
発表題目 優占樹種の異なる森林における深度方向での土壌細胞外酵素活性の違い
Vertical differences in soil extracellular enzymatic activities in forest stands having different dominant tree species
所属 鳥取大学
要旨本文 森林土壌では多くの植物根は表層土壌に位置し、微生物の活性も表層で高いため、これまでの炭素・窒素循環研究は主として表層土壌を対象としてきた。一方で、下層土壌からの二酸化炭素放出は土壌全体の二酸化炭素放出に大きく寄与しており、また下層土壌は植物の窒素供給源として量的に重要であると示唆されていることから、下層土壌の炭素・養分動態解明も森林土壌の物質循環解明には欠かせない。本研究では土壌や気候などが異なる北海道の3つの森林(中川・雨龍・標茶)において、0-10cm、10-20cmおよび20-40cm深の土壌を採取し、物質循環に関わる土壌細胞外酵素活性の深度方向での違いを明らかにすることを目的とした。調査はトドマツ人工林、カラマツ人工林および落葉広葉樹天然林で行った。測定したすべての酵素で深度ともに活性が低下する傾向がみられた。一方で、標茶のカラマツ林ではリン循環に関わる酵素活性が深度とともに有意に低下するものの、中川、雨龍のカラマツ林では深度方向の違いは有意ではなく、また標茶においてもトドマツ林では深度方向の違いは有意ではないなど、深度方向の酵素活性の違いはサイトや植生によって大きく異なっていた。
著者氏名 ○中山理智1 ・ 福澤加里部2 ・ 小林真2
著者所属 1鳥取大学乾燥地研究センター ・ 2北海道大学北方生物圏フィールド科学センター
キーワード 下層土壌, 細胞外酵素活性, 人工林
Key word Subsoil, Extracellular enzyme, Artificial forest