第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | 2025年3月21日 |
---|---|
開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(ロビー) |
講演番号 | PI-3 |
発表題目 | マングローブ細根の仮比重・真比重-細根生産能を体積として把握する- Bulk density and specific gravity of mangrove fine root. |
所属 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 |
要旨本文 | 地球温暖化に伴う海面上昇によって、マングローブ林の一部群落では既に表層侵食等の影響が現れている。マングローブは潮間帯上部にのみ生育可能なため、海面上昇速度が地盤形成能を上回るとマングローブは存否の危機に曝される。一方、マングローブは高い細根生産能力を持つため、一部樹種はその高い細根生産能を以て泥炭を生産・蓄積して地盤高を上げ、海面上昇に対して自らの生息域を維持するともいわれる。本研究では、細根生産に起因するマングローブの泥炭形成能を面積当たりの体積として把握するための前段として、西表島とミクロネシアのマングローブ生根・枯死根を対象に、比重測定を試みた。根の仮比重は、総じて根の生死や径階で異なっており、生根は<0.5 mmφの極細根と死根で他の径階より有意に高かった。本研究で測定した根の仮比重と既往研究における細根生産速度よりマングローブの細根による年間地盤形成能を概算した結果、ヤエヤマヒルギ林で約2.6 mm/年/30 cm深と試算された。全球の平均海面上昇速度は2006~18年で3.7 mm/年である。近年の海面上昇速度は、マングローブ林の存否に影響を与えるレベルになりつつある。 |
著者氏名 | ○小野賢二1 ・ 藤本潔2 ・ 渡辺信3 ・ 羽佐田紘大4 ・ 古川恵太5 ・ 木原友美6 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 2南山大学 ・ 3琉球大学熱帯生物圏研究センター ・ 4奈良大学 ・ 5NPO法人海辺つくり研究会 ・ 6株式会社E-konzal |
キーワード | 細根動態, 仮比重, 真比重, 比重瓶法, マングローブ |
Key word | Fine root dynamics, Bulk density, Specific gravity, Pycnometer, Mangrove |