第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(ロビー) |
講演番号 | PI-9 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 森林小流域における渓流沿い伐採による20年間の渓流水質変動 Changes in water quality over 20 years in a streamside artificial regenerated small forested watershed |
所属 | 東京農工大学 |
要旨本文 | 人工林を利活用しながら水源涵養など森林の多面的機能を発揮させるためには、適切な管理による持続可能な利用が重要である。本研究では、群馬県みどり市に位置し、スギ・ヒノキ人工林で構成されている東京農工大学の大谷山対照流域試験地において、渓流沿い伐採・更新による長期的な渓流水質変動を観測し、小流域の末端と斜面中間部から表層土壌を採集し、土壌C/N、pH、硝化に関わる土壌の酵素活性などを調査した。その結果、若齢の渓流沿いのスギ林更新地で最も高い硝化の酵素活性が測定され、同流域の老齢スギ林の活性が低かった。渓流沿いのスギ林分の更新は、土壌の硝化作用を加速する可能性があるといえる。渓流沿いの伐採により、渓流水の硝酸の流出量が伐採後6年間、隣接する対照流域より増加傾向で年間変動も大きくなったが、植栽したスギ林分の成長に伴って11年後から硝酸の流出が減少して安定化してきている。これは、幼齢木の成長により硝酸の吸収量が増えていることを示唆している。発表では、土壌養分、硝化速度、林分成長などから渓流水量・水質の季節・長期の変動とその原因を考察し、水質形成機能、養分循環の調節機能に及ぼす影響について議論する。 |
著者氏名 | ○曹越1 ・ 戸田浩人2 ・ 崔東寿2 ・ 小田智基3 |
著者所属 | 1東京農工大学大学院連合農学研究科 ・ 2東京農工大学大学院農学研究院 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域 |
キーワード | 物質循環, 林齢, 硝酸態窒素, 生態系機能, 成長 |
Key word | Nutrient cycling, Stand age, Nitrate nitrogen, Ecosystem function, Growth |