第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PJ-12
発表題目 遮断蒸発と蒸散が流況に及ぼす影響:多雪地域におけるシミュレーション検討
A simulation study on the effect of interception and transpiration on runoff in a heavy snow region
所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
要旨本文 森林流域における蒸発散は主に蒸散と遮断蒸発からなり、蒸散は主に非降水時に、遮断蒸発は降水時やその直後に起こる。それぞれメカニズムや発生するタイミングが異なることから、流出にも異なる影響を及ぼすことが予想される。そこで、蒸散と遮断蒸発の変化が、流況にどう影響を及ぼすかについて調べた。本研究では宝川森林理水試験地の本流流域(群馬県利根郡みなかみ町、19 km2)を対象流域とした。まず、地形・気象のメッシュデータと観測された流出量データとを利用して、シミュレーションに用いる流出予測モデルのパラメータを推定した。そして、蒸散と遮断蒸発の計算に関わるパラメータを変化させ、流況の違いを調べた。この際、降水が全て雨であった場合のシミュレーションも行い、積雪の有無による傾向の変化も調べた。その結果、降水量推定の影響等による不確かさは認められるものの、蒸散に関わるパラメータの変化は、渇水時の水流出量を左右する傾向が見られた。その一方で、遮断蒸発に関わるパラメータの変化は、洪水時の水流出量を左右する傾向にあった。そして、これらの傾向は積雪の有無に関わらず見られた。
著者氏名 ○籾山寛樹1 ・ 熊谷朝臣2 ・ 清水貴範1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード 蒸発散, 流出, 渇水, 洪水, 水資源
Key word evapotranspiration, runoff, drought, flood, water resources