第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PJ-15 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 森林斜面における基岩面上の水みち分布の測定
Measurement of Soil Pipe Distribution Above a Bedrock in a Forest Slope
所属 京都大学 大学院
要旨本文  斜面崩壊発生予測を高精度化するために、土層内の飽和帯形成に支配的な影響を及ぼす、土壌の透水性や保水性の分布を把握することが重要である。これらは空間的な不均質性がきわめて高く、水みちと呼ばれる高透水性の構造が偏在することが知られている。そこで本研究では非破壊的な原位置測定法の一つであるゲルフパーミアメータ法を改良し小型化して用いることで、基岩面上の水みち分布を把握することを目的とした。 調査は滋賀県甲賀市の信楽水文試験地で行い、一流域内に設けた55の測点で基岩面上の飽和透水係数を測定した。透水係数は対数正規分布をとり、最大値は5.29×10-2、最小値は3.04×10-6、平均値は3.45×10-3 (cm/sec)であった。流域の一部では斜面流下方向に連続して透水性が高く、基岩面上に豪雨時の排水経路となる水みちがあることが推察されたため、その周辺において約1 m間隔で測定地点を設定し、簡易貫入試験と飽和透水係数の測定を行った。これにより水みちの詳細な分布が明らかになっただけでなく、透水性と一部の地形量に一定の対応が見られること、崩壊縁の内部で特に透水性が高いこと、樹木根系が水浸透に影響を与えている可能性が示唆された。
著者氏名 ○岩尾健司 ・ 柳井鴻太郎 ・ 正岡直也 ・ 小杉賢一朗
著者所属 京都大学大学院農学研究科
キーワード 透水性, 水みち, 森林土壌
Key word Water Permeability, Soil Pipe, Forest Soils