第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PJ-26
発表題目 人工林施業下における表層崩壊の発生要因の検討
Examination of factors causing shallow landslides under plantation forestry practices
所属 宇都宮大学
要旨本文 豪雨による表層崩壊の発生には、降雨や地形、土質強度、植生など多様な条件が関係する。森林根系による土壌補強効果は林齢に応じて変化するため、人工林施業が行われる場所では、林齢の空間分布に応じて表層崩壊の発生リスクが変化することになる。そこで、本研究では人工林施業が行われている宇都宮大学船生演習林を対象として、林齢に応じた根系の土壌補強効果を考慮した斜面安定解析を行うことで、人工林施業下における表層崩壊の発生要因の検討を行った。船生演習林では1998年8月の豪雨により多数の表層崩壊が発生したが、それに匹敵する2019年10月の豪雨では顕著な表層崩壊は発生していない。この二つの豪雨を対象とし、当時の林齢分布を考慮して斜面安定解析を行ったところ、1998年では安全率が1を下回る箇所が多数発生し、実際の崩壊発生分布に対応していたのに対して、2019年では一部で安全率が1を下回ったのみであった。これは、1998年では地形条件的に崩壊リスクが高い箇所に根系の補強効果が小さい若齢林が多く分布していたのに対して、2019年では人工林が全体的に高齢化し、地形条件的に崩壊リスクが高い箇所に若齢林が少なかったためであると考えられた。
著者氏名 ○酒井佑一 ・ 加藤琉之助 ・ 元廣真也
著者所属 宇都宮大学農学部
キーワード 表層崩壊, 森林施業, 根系の補強効果, 斜面安定解析
Key word Shallow landslide, Forest management, Root reinforcement, Slope stability analysis