第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PJ-29
発表題目 2024年能登半島地震で発生した土砂災害に植生が与えた影響
Impact of vegetation on landslides caused by the 2024 Noto Peninsula earthquake
所属 石川県立大学
要旨本文 2024年1月1日に能登地域で発生した震度7の地震による斜面災害を対象に、森林が斜面崩壊に与える影響を決定木を用いて解析した。本研究では、輪島市門前町安代原周辺の森林地帯を研究地域とし、崩壊地を検出して崩壊深に基づき分類し、目的変数とした。また、植生高、傾斜、地質など、斜面災害との関連性が高いデータを説明変数として解析を行った。その結果、研究地域の森林域における斜面災害の発生には、傾斜よりも植生高が大きな影響を与えることが明らかになった。特に、植生高が低い場合には浅い崩壊が発生しやすい一方で、崩壊深が深い場合には植生高に関わらず崩壊が発生する傾向が示された。この現象は、崩壊深が深いと根が届かず、根系の緊縛効果が低下することに起因すると考えられる。これらの結果から、植生が斜面災害の抑止に一定の効果を持つことが逆説的に証明された。また、斜面防災の観点から、森林の崩壊防止機能を評価する指標として植生高が有効であることが示唆された。
著者氏名 ○谷美槻
著者所属 石川県立大学
キーワード 土砂災害, 森林, 決定木
Key word sediment-related disaster, forest, decision tree