第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PJ-33 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 ヒノキ人工林の高齢級化が表面侵食量に及ぼす影響
Impact of aging plantation of Japanese Cypress on soil erosion rate
所属 静岡大学大学院
要旨本文  本研究では,ヒノキ人工林の高齢化に伴う樹冠構造の変化が表面侵食量に及ぼす影響を検討した。調査地は,静岡大学農学部附属の天竜フィールド内にある1923年植栽のヒノキ人工林(以下「高齢林」)と1971・1972年植栽のヒノキ人工林(以下「壮齢林」)である。各林内で斜面の傾斜や方向,土壌の粒度分布といった特徴が同等になるような観測サイトを選定し,歩行型LiDARにより計測された点群データ解析を用いて両林分の樹冠構造を定量化するとともに,表面侵食量の現地観測を行った。その結果,高齢林の樹高,枝下高,樹冠長,胸高直径,樹冠投影面積は壮齢林のものよりも大きかった。また,林内雨量は高齢林で僅かに高い傾向が確認された。その一方で,南光(2013)による林内雨滴の運動エネルギー推定式を本試験地の樹冠構造へ適用したところ,高齢林と壮齢林での林内雨滴エネルギーはそれぞれ18.2,18.4 Jm-2mm-1であり,大きな差は見られなかった。さらに,観測された表面侵食量も両林で明確な違いはみられなかった。これらの結果から,ヒノキ人工林の高齢化に伴う樹冠構造の変化は,表面侵食量に大きな影響を及ぼさないことが示唆された。
著者氏名 ○大和利成1 ・ 今泉文寿2 ・ 江草智弘2
著者所属 1静岡大学山岳流域研究院 ・ 2静岡大学学術院農学領域
キーワード 表面侵食, ヒノキ高齢林, ヒノキ壮齢林
Key word soil erosion, old-aged plantation of Japanese cypress, mature plantation of Japanese cypress