第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PJ-42
発表題目 森林河川におけるモウソウチクのリター破砕とリターからの溶出
Breakdown of Moso bamboo litter and release of dissolved organic matter in a forest mountain stream
所属 九州大学
要旨本文 放置竹林の拡大により、河畔に密度高い竹林が広がっている区間も増えているが、森林河川に与える影響はまだ明らかになっていない。本研究では、リターの破砕とリターから溶出する溶存有機物(DOM)を、モウソウチクと水辺の常緑樹種(クスノキとスギ)で比較することで、竹林の拡大が河川の有機物動態に与える影響を評価した。リターバックを瀬の河床に設置し、設置後1日、8日、15日、28日、42日後に回収を行い、破砕速度を測定するとともに、残存リターから溶出するDOMの測定を行った。また、8日後に回収したリターバック内の無脊椎動物も測定した。リターの破砕速度は、モウソウチクがクスノキやスギよりも遅かった。しかし、無脊椎動物の個体数と種数は最も高く、モウソウチクのリターは餌資源としての質は低いが、生息場所として機能していた。リターからのDOM溶出は、設置0日目のモウソウチクリターで最も高く、分解が進むにつれて急速に減少した。しかし、生分解性DOMの量はクスノキやスギよりも少なく、河川での栄養塩動態への寄与は小さいことが示唆された。
著者氏名 ○笠原玉青1 ・ Ariane GOURLAOUEN2 ・ 田中亜季3
著者所属 1九州大学大学院農学研究院 ・ 2九州大学大学院生物資源環境科学府 ・ 3大阪公立大学国際基幹教育機構
キーワード 河畔林, 栄養塩, 渓流, 常緑樹
Key word Riparian zone, Nutrients, Headwater streams, Evergreen