第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PJ-45
発表題目 冷温帯と暖温帯に植栽されたブナのガス交換の比較
Comparison of gas exchange between Fagus crenata planted in cool- and warm-temperate zones
所属 日本大学生物資源科学部
要旨本文 鹿児島から北海道の冷温帯に分布するブナ(Fagus crenata)は、地球温暖化の影響により深刻なダメージを受け、九州や本州太平洋側ではほぼ消滅する予測が報告されている。一方、先行研究である畑岸ら(2024)によれば、冷温帯の水上試験地と暖温帯の藤沢試験地に植栽されたブナ成木の個葉のガス交換速度を計測した結果、両試験地の水利用効率(iWUE)は同程度であり、暖温帯に生育するブナ成木のガス交換特性が冷温帯のものに比べ低下しない可能性を示すが、畑岸ら(2024)のデータセットは2023年度のものであるため、両試験地において測定データを蓄積して検証する必要がある。そこで本研究では、水上試験地と藤沢試験地に植栽されたブナ成木のガス交換特性を評価するため、2024年の着葉期において携帯用光合成・蒸散測定装置を用いて光合成速度と気孔コンダクタンスを測定し、2024年と2023年の両試験地におけるiWUEについて調べた。その結果、2024年の測定期間におけるiWUEは藤沢試験地より水上試験地でやや大きいが、これらの値は2023年度のものに比べ2~3割程度小さいことが示された。
著者氏名 ○小坂泉 ・ 山田陸 ・ 佐々木大和 ・ 鈴木実蓉 ・ 千本松武秀 ・ 早川大 ・ 前野遥希 ・ 瀧澤英紀
著者所属 日本大学生物資源科学部
キーワード ブナ, ガス交換, 光合成速度, 気孔コンダクタンス, 水利用効率
Key word Fagus crenata, Gas exchange, Photosynthetic net assimilation rate, Stomatal conductance, Intrinsic water use efficiency