第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PJ-46
発表題目 常緑落葉混交林内の湧水湿地と大気間のCO2収支
CO2 Exchange Between Atmosphere and Seepage Wetland inside Mixed Forest
所属 名古屋大学
要旨本文 森林流域内に存在する湿地は,渓流へのDOC流出や大気とのCO2交換を通して,森林炭素循環の一部を担っている。本研究では,鉱質土壌上に湿地性植生が成立する湧水湿地における大気とのCO2収支とその季節変化を渦相関法計測により明らかにした。東京大学生態水文学研究所穴の宮試験流域(愛知県瀬戸市)内の約0.7haの草本植生域において、2024年8~12月に観測を実施した。この間、地表には湛水域が断続的に存在し、日平均気温は28.0℃(8月)から12.0℃(11月)に低下した。CO2フラックス(正値が正味放出)月平均値は7.1(8月)から-0.4(11月)μmol m2 s-1へ減少し,冬季には放出が抑えられ弱い正味吸収がみられた。観測期間を通して,午前中には吸収がみられ、午後から放出が増加し夜間にも持続した。夜間のCO2フラックス(生態系呼吸量)の気温応答は森林よりも大きく,その気候応答の違いが示唆された。このような湿地生態系の面積は流域内の数%であるが年間放出期間が数か月に及ぶことが予想され,森林CO2収支への影響評価が必要である。
著者氏名 ○小谷亜由美1 ・ 青木翔太1 ・ 五味高志1 ・ 水内佑輔2
著者所属 1名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林生態水文学研究所
キーワード CO2フラックス, 渦相関法, 季節性, 水温
Key word CO2 flux, eddy covariance, seasonality, temperature