第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PJ-51
発表題目 カラマツを対象とした熱消散法と吸引実験による樹液流速度の比較
Comparison of sap flow based on thermal dissipation method and suction experiment on larch
所属 東京農業大学
要旨本文 カラマツは寒冷地における主要な人工林樹種の一つであり,近年木材加工技術の発達により木材需要が増え,カラマツ人工林の新規造成も進んでいる.そのため,カラマツ人工林の水消費量,すなわち蒸散量を明らかにすることは流域の水資源管理という観点から重要である.熱消散法は単木および林分スケールの蒸散量を求めることを目的として,国内外で広く利用されている.しかし近年,熱消散法によって算出した蒸散量が実際の蒸散量と大きく異なっており,樹種毎にキャリブレーション実験を行う必要性が指摘されている.そのため,本研究では岩手県八幡平市に生育するカラマツ10本を対象として丸太を切り出し,樹頂側にアタッチメントを設置することで減圧し,反対側を水につけることで人工的に樹液流を発生させる吸引実験を行い,それと同時に熱消散法による樹液流計測を行い両者の比較を行った.その結果,熱消散法による樹液流速度Fd_sapと吸引実験による樹液流速度Fd_absとの関係は,Fd_abs=0.57 Fd_sap(R2=0.90)であり,Fd_sapはFd_absに比べておよそ40%過小評価していることが明らかとなった.
著者氏名 ○佐藤貴紀 ・ 加藤大貴 ・ 橘隆一
著者所属 東京農業大学地域環境科学部
キーワード カラマツ, 樹液流, 熱消散法, 吸引実験
Key word larch, sap flow, thermal dissipation method, suction experiment