第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(ロビー) |
講演番号 | PJ-52 |
発表題目 | 多面的計測によるスギ林分の遮断動態の評価 Evaluation of canopy interception dynamics by multiple measurement methods in a Japanese cedar stand |
所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 |
要旨本文 | 森林に降った雨の10~30%は遮断蒸発することが知られている。降雨中および降雨直後の日射と飽差は小さく蒸発は生じにくい環境であるにも関わらず、多量の遮断蒸発が生じるメカニズムについては不明な点が多い。遮断蒸発量は林外雨量から樹冠通過雨量と樹幹流量を差し引いた残差として求めるが、計測上の制約から降雨イベントスケールでの評価が大勢を占める。このため、降雨中に時々刻々と変化する「遮断動態」に関する報告は少なく、遮断蒸発メカニズムの理解が進まない一因になっていると考えられる。そこで本研究では、スギ林分を対象とした1時間ごとの遮断強度の計測に加えて、樹冠通過雨の成分分離(直達、滴下、飛沫)ならびに樹木の揺動計測に基づく固有周期の評価を行い、遮断動態を検討した。降雨の継続とともに滴下雨の割合は増加し、雨水による樹冠の飽和度の上昇を反映していると考えられた。樹木の重量と比例関係にある固有周期は降雨開始とともに増加し、降雨後に徐々に減少する傾向を示した。さらに、積算遮断強度は固有周期と正の相関を示したことから、遮断強度の変化は樹木の重量、すなわち降雨貯留量の変化を反映している可能性が高いことが示唆された。 |
著者氏名 | ○飯田真一1 ・ 南光一樹2 ・ Delphis F Levia3 ・ 清水貴範2 ・ 岩上翔2 ・ 小田智基2 ・ 宮沢良行4 ・ 香川聡2 ・ 久保田多余子2 ・ 籾山寛樹2 ・ 横尾善之5 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 3デラウェア大学 ・ 4九州大学キャンパス計画室 ・ 5福島大学共生システム理工学類 |
キーワード | 樹冠遮断, 遮断強度, 固有周期 |
Key word | canopy interception, interception intensity, natural period |