第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]
開始時刻 | ポスター発表 |
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講演番号 | PJ-6 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 山地流域の実測データに基づいた流出成分の分離 Separation of runoff components based on measured data in mountain watershed |
所属 | 信州大学 |
要旨本文 | 信州大学農学部手良沢山演習林野田ヶ沢流域では, 流量観測に加え, 湧水 (地下水)や中間流の流量観測も行っている。本研究では, 野田ヶ沢流域を上部流域と下部流域に分け, 下部流域について, 地下水流, 中間流の実測流量を用いた流出成分の分離を試みた。 加えて, 電気伝導度 (EC) による成分分離, 安定同位体比の混合解析を行い, 研究対象地における地下水の混合割合を算出した。実測流量による成分分離の結果, 全期間を通して地下水の流量はほぼ一定を保っており, ハイドログラフのピークを形成しているのは表面流出や中間流出などの直接流出成分であることが推察された。さらに, 中間流の流量を推定し, 地下水由来, 中間流由来, 雨水由来の3成分の分離を試みたところ, 多雨期には中間流の推定流量が過大となったことから, 多雨期には定常時とは異なる, 速い中間流出成分の混入が考えられた。ECの観測結果からも同様の可能性が示唆された。また, 安定同位体比から涵養標高を求めた結果, 地下水に関しては, 流量がほぼ一定であったのにもかかわらず涵養域の変動がみられ, 中間流に関しては, 流量の増減に対応して涵養標高が上下していることがわかった。 |
著者氏名 | ○長張湧1 ・ 小野裕1 ・ 榊原厚一2 |
著者所属 | 1信州大学農学部 ・ 2信州大学理学部 |
キーワード | 流出成分分離, 地下水流量, 中間流量, 安定同位体 |
Key word | separation of runoff components, groundwater flow rate, intermediate flow rate, stable isotope |