第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PL-10 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 東京農業大学奥多摩演習林におけるナラ枯れ被害木分布の地理的特徴
Geographical characteristics of distribution of oak wilt disease affected trees in the Okutama Experimental Forest
所属 東京農業大学
要旨本文  ナラ枯れは、近年標高1000m以上の高標高域でも発生している。高標高域では、単木的あるいは小集団的な小さな被害が発生していることが多い。東京農業大学奥多摩演習林(東京都奥多摩町)でもナラ枯れ被害が拡大することが懸念されている。したがって、本研究ではミズナラを対象に標高約800m~1450mまでの高標高域において、現地調査及びGISによってナラ枯れ被害を把握し、ナラ枯れ被害木分布の地理的特徴を明らかにすることを目的とする。調査方法は、現地で非穿入木・穿入生存木・穿入枯死木の胸高直径と座標データを記録し、GISで標高・傾斜量・傾斜方位・日射量を解析した。その結果、674本を調査し、被害は全体の41%、枯死率は13%であった。また、胸高直径が大きい個体ほど被害を受けやすく、高標高においてより穿入木が多く見られ、また、傾斜量は比較的低い傾向がみられた。これらの結果から、高標高域においてもナラ枯れは発生し、日射量が影響を及ぼす可能性が考えられた。現段階の奥多摩演習林においてナラ枯れは被害初期であり、今後さらに被害が拡大していくと考えられ、今後も継続的な調査を行う必要がある。
著者氏名 ○岡本稜平 ・ 田中恵 ・ 上原巌
著者所属 東京農業大学地域環境科学部
キーワード カシノナガキクイムシ, ミズナラ, 高標高, 気温, 傾斜
Key word Platypus quercivorus, Quercus crispula, High altitude, Temperature, Tilt angle