第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(第一会議室) |
講演番号 | PL-12 |
発表題目 | クリハラリスの生息する小島と生息しない対岸の半島の間の昆虫相の比較 Comparison of insect faunas between an island with Pallas's squirrel and the opposite peninsular without the squirrel |
所属 | 森林総合研究所北海道支所 |
要旨本文 | 外来哺乳類のクリハラリス(Callosciurus erythraeus)が昆虫個体群に与える影響解明の予備調査として、クリハラリス根絶前の大分市高島と対岸のクリハラリスの生息しない佐賀関半島の森林内で、衝突板トラップ、魚肉ベイトのピットフォールトラップおよびススメバチ用トラップによる昆虫類捕獲調査を行った。昆虫グループ別にみると、カミキリムシ科とスズメバチ属の種数と捕獲数が佐賀関半島で有意に多く、高島ではクリハラリスの捕食による負の影響を受けていると考えられた。逆に腐肉食性のシデムシ科と糞虫類は高島で有意に多く、クリハラリスの死骸供給による正の影響を受けていると考えられた。また、オサムシ科は両者に差がなく、クリハラリスの影響を受けているとはいえなかった。種別にみると、オオナガコメツキ、ヤハズカミキリ、トゲヒゲトビイロカミキリおよびキイロスズメバチが負の影響を、クロシデムシとマメダルマコガネが正の影響を受けていると考えられた。本研究の結果は、根絶後に行われるクリハラリスの影響解明のための比較研究に利用できるだけでなく、特に注目すべきグループや種を提示することで調査対象の絞り込みを可能にする。 |
著者氏名 | ○上田明良1 ・ 後藤秀章2,3 ・ 金谷整一2 ・ 安田雅俊2 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所四国支所 |
キーワード | クリハラリス根絶事業, カミキリムシ科, オサムシ科, スズメバチ属, 腐肉食性甲虫 |
Key word | Pallas's squirrel eradication program, Cerambycidae, Carabidae, Vespa, necrophagous beetle |