第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PL-13
発表題目 和歌山県においてヒノキ皮付き丸太に穿孔する昆虫類
Variation of insects boring into cypress logs with bark in Wakayama prefecture,japan
所属 和歌山県林業試験場
要旨本文 和歌山県では通年伐採の増加により、山土場や貯木場等において集積された皮付き丸太に穿孔性昆虫による被害が多発している。基礎データ収集のため、ヒノキを対象に産卵する穿孔性昆虫の種と孔道の深さ等を調査した。山土場を想定した森林でヒノキを時期別に伐採し約1ヶ月置いた後、直径15~20cm、長さ50cmの皮付き丸太を切り出し、産卵されないよう容器に入れて森林に置いた。伐採から約250日後に丸太を割材したところ、6~10月の材にキイロホソナガクチキムシの幼虫が多くみられ、材の深いところまで穿孔していた。山土場では本種の産卵に注意する必要があり、優良材の生産を目的とした伐採はこの時期を避けた方が良いと考えられた。また、本県の原木の流通過程における穿孔性昆虫の被害実態と対応に関する聞き取り調査の結果、あらゆる過程においてその影響がみられた。被害材は安く販売され、木質バイオマスとされるケースもあった。殺虫剤の散布、成虫発生時期は原木の集積期間を短くするなどの対策が講じられていた。それぞれの過程で発生する枝や端材などの残材が繁殖源になると考えられ、適切に処理することで被害を軽減できる可能性が示唆された。
著者氏名 ○法眼利幸1 ・ 坂本淳1 ・ 中谷俊彦2
著者所属 1和歌山県林業試験場 ・ 2元 和歌山県林業試験場
キーワード 穿孔性害虫, 産卵時期, 材質劣化, 孔道, キイロホソナガクチキムシ
Key word boring insect, oviposition period, wood quality deterioration, perforation, Serropalpus nipponicus Lewis